Akai's Insight & Memo

かなり小さなマーケティング会社の社長のブログ。MKTインターナショナル株式会社 代表取締役社長 赤井 誠。http://www.mkt-i.jp id:mktredwell

感想:聞き出す力(吉田豪 著)ーもちろん、「聞く力」を意識しているよ

さて、年末読んだ本で、良かったもの感想。一冊目は、『聞き出す力』(吉田 豪 著)です。

最近は、TV出演も増えて、吉田豪さんも有名になってきましたね(とかきながら、情熱大陸以外に、豪さんがTV出ているのは見たことないかもですが。。昔、給与明細を見せるみたいな番組でみたことあるけど)

個人的には、「紙のプロレス」という雑誌があったときに、おもしろいインタビューが多いなぁと思っていたら、その後に、あれは、吉田豪さんがインタビューしていたということがわかったり。書評を連載していたと思ったら、いきなり終わって、あれ? と思ったりとか。そういうこともあって、TBSラジオ 「ストリーム」の『コラムの花道』で話を聞けるようになってうれしかった思い出があります。

本書は、単行本化を前提に「週刊漫画ゴラク」で連載中していたコラムをあつめたもので、巻末に、ベストセラー『聞く力』の阿川佐和子さんとの特別対談収録したもの。

一般的には、「プロインタビュアーによる、人から面白い話を引き出すテクニックを有名人をインタビューした経験からまとめたもの」ということになるのでしょうね。

確かに、王道はそういう読み方なんでしょうが、個人的に好きなのは、「ライターになるなら、編集者に土下座させてはいけません」という話を、ターザン山本氏に呼ばれたライター教室でする話。で、その編集者に土下座させたのは、ターザンとか。

今は亡き破壊王・橋本真也さんへの取材場所のエピソードなんかもおもしろくて。取材場所に指定された場所が、どうみても、ラブホ。そこで、1対1で取材。豪さん、襲われたどうしようとして、とった行動とか。

この手のネタがたくさんあって、個人的にはこういうこねたが好きです。

ビジネス書的にも、お客様などから話を聞き出すという観点での読み方もできますので、そういう読み方したい人にもおすすめです。

感想:「ゴーン・ガール」→エイミーにゾクゾク。。

年明けに最初に見に行った映画は、ぼくが今、一番好きな監督の一人デビッド・フィンチャー監督の「ゴーン・ガール」。かなりの評判を呼んでいます。デビッド・フィンチャーは、今度こそのグラミーでなく、アカデミーがとれるかどうかです。フィンチャーのこれまでの興業最高「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」もこえ、ビジネス的にも好調です(かえすがえす、ドラゴン・タトゥーの女があまりヒットしなかったのが残念。シリーズ2,3で完結して欲しかったのにと思ったら、予定されているようですね。次作。
The Girl Who Played with Fire - IMDb
)。

あらすじとしては、「ニックとエイミーは、幸福な夫婦生活を送っていたカップル。結婚5周年の記念日にエイミーが失踪し、自宅のキッチンから大量の血痕が発見される。当初はかわいそうな夫という感じだったのが、メディアが事件を取り上げていく課程で、ニックに、実はおまえが殺したんじゃない?と思われて」というあたりまでしかかけません。ストーリー展開としては、中盤以降の方が怒濤の展開を示すのですが、それはあらすじをかいたからといっても、そのおもしろさわからない作品です。2時間30分、本当に飽きません。

で、気になったのは、安倍総理はこの映画を、奥様、お母様と鑑賞。。R15指定で結構激しいシーンもあるのですが。

【安倍日誌】2日 - 産経ニュース

この映画は一人で見に行くことをオススメですよ。。。家族と観にいくのは。。。

今回の主演女優のエイミー役ロザムンド・パイクがなんといっても、すばらしいです。場面に合わせてしゃべり方、服装などを変えながら演じるところがたまらなくいいです。この演技でグラミー賞でなく、アカデミー賞候補にもなるでしょう。(主演男優のベン・アフレックは、今回、若い頃のブルース・スプリングスティーンに似ています。)。エイミー、最高にぞくぞくします。

そして、もう一つは、音楽。「ソーシャル・ネットワーク」「ドラゴン・タトゥーの女」に続いて、「ナイン・インチ・ネイルズ」のトレント・レズナーとアティカス・ロスが共同で担当。一般的なオーケストラの映画音楽でないゾクゾクする雰囲気を出します。


ゴーン・ガールの原作は、元々、次の米国のである事件をモデルにしていると言われています。映画の実際の内容とは違うので、次のまとめを読んでも、オチにはつながらないので興味があると目を通しておくと、見終わったあとに、違いがわかります。



と、アカデミーのことを、グラミー賞と書いてました(^ ^)

お勧め本: 『日本経済はなぜ浮上しないのか』(片岡剛士 著)

総選挙も終わり、新政権の新しい経済政策に注目が移りつつある寒い冬ですね。

選挙では、主にアベノミクスが争点となっていましたが、謎の論争(ドル建てのGDP比較とか)が多くて頭が痛くなった人も多かったと思います。そこでお勧めは、『日本経済はなぜ浮上しないのか』(片岡剛士 著)です。

本書では、アベノミクスの評価と今後の提言が柱ではありますが、経常収支について、特別付録として、しっかりと説明されていることもポイントです。

ドル建てのGDP比較と並んで、経常収支について、企業会計の黒字・赤字と違っていること(経常収支が赤字になると、日本の稼ぐ力が落ちているとか)などを詳細に解説していています。この章だけでも手元に置いていくだけで、経済政策の理解に役に立ちます。

アベノミクスの定義は、第1の矢「金融緩和」、第2の矢「機動的な財政政策」、第3の矢「成長戦略」となっています。内閣参与の浜田先生が、1年近く前にアベノミクスの評価は、ABE (米大学などの成績。優、良、可、不可ですね)だしていました。今は、第1はまああの合格だけど、第2と第3に対する評価はますます低くなっているのが現状だと思います。そのような中で、本書『日本経済はなぜ浮上しないのか』は、今までのアベノミクスの評価と、今後のあり方を提言する好著です。

片岡氏は、アベノミクスは成長に特化した経済政策パッケージであるとしています。一方で、片岡氏は、再分配政策は十分でないことも指摘しています。


これらの指摘は、印象論をベースにしたものではなく、各種の統計データや理論を基礎としてなされています。例えば、春の消費税増税の前までのアベノミクスの進捗として、富裕層と低所得者層の消費が増えるなど、上位と下位に成果が表れてきたことなどを統計データを活用し、説明しています。一方で、これから中間層にプラス方向の影響が出てくるかという段階で、増税となり、各種の経済指標が大きく悪化していることを紹介します。


これらの分析をベースにして、今後の政策への提言へとつながります。


安倍総理の志向性から、まず、「安倍さんのやることがなんでも反対」のイデオロギーフィルターがかかっていると、なんのこっちゃわからない批判に終始してしまいます。まずは、評価すべきところと、評価できないところを見極めた上で批判する、あるいは、代替案を進めることが大切だと言えるでしょう。

再分配政策以外にも、若田部教授(早稲田大学)が主張する「オープン・レジーム」を推奨しています。あまり、聞きなれない用語だと思いますので、以下に若田部先生のコラムをリンクします。


結局、アベノミクス三本の矢自体は、標準的な経済政策の組み合わせなので、これらを批判しても、トンデモ批判になりがちです。一方で、片岡氏が再分配政策は十分でないことも指摘しているように、うまくいっていないところを改善していくことが大切だと思います。

年末に時間のあるときに読んでみてほしい一冊です。

感想: 『ホビット 決戦のゆくえ』 は、ハイ・フレーム・レート3Dで楽しもう

とうとう、J・R・R・トールキンの「ホビット」シリーズ3部作の最終章となった本作を、公開初日に観てきました。内容の詳細については、特にこのブログではふれません。

ただ、原作があるのでわかるといえば、わかりますし、この後、指輪物語につながりますから、そのあたりからも、類推できるところもあります。ただし、お勧めは、見に行く前に指輪物語、ホビット1,2作を復習したほうがさらに楽しめます。そして、第3作目は、まさに大円壇です(ロードオブザリングの最終作のほうが大円壇ですが)。

主演のマーティン・フリーマンは、ドラゴンの声で、本作ではサウロンの声としても出演しているベネディクト・カンバーバッチと一緒に、SHERLOCK(シャーロック)で世界的にブレイクした人。ホビットのコミカルかつ友情に厚い役柄は、SHERLOCKのワトソンを思い出します。本作の一つテーマは友情でしょう。

やっぱり、エルフ好きですね。タウリエル役のエヴァンジェリン・リリーは、TVドラマ「LOST」のケイト役で人気の出た女優。他に、僕にとって印象的な役としては、他にアカデミー賞作品である「ハートロッカー」で主役を家で待つ妻役。今回も印象的です。

で、今回、観てきたシアターは、IMAX / HFR3D(ハイ・フレーム・レート3D)の川崎109シネマズ。

映画は、歴史的に24フレーム/秒で撮影、上映されてきました。これは現在のデジタルであっても同じです。今や、スマホやデジカメでも動画が撮影できます。実は、これらの撮影のフレーム数は違います。テレビの撮影用のカメラなども、フレーム数などで細かい違いはあります。ただ、ざっくりと以下になります。

  • 24フレーム/秒 シネマ(映画用)
  • 30フレーム/秒 デジタルカメラやスマホのほとんど
  • 60フレーム/秒 最近のデジカメ。iPhone6では、デフォルトが30fpsですが、設定で60fpsサポート

今回、監督のピータージャクソンは、24フレーム/秒ではなく、HFR3D(ハイ・フレーム・レート3D)で行いました。HFR3Dは、48フレーム/秒で撮影が行われます。メリットは、よりスムーズな映像と、3D上映したときのチラツキが減るとされています。

観てきた感想でいえば、確かに見やすいです。ということで、お金はかかりますが、IMAX HFR3Dで観ることをぜひにお勧めです。

今回、CGを担当するのは、おなじみの Weta Digitalです。今回の『 ホビット 決戦のゆくえ』のレンダリングサーバーとして、HP ProLiant XL230a Gen9 Apollo を新たに導入して、制作したとレポートされています(以下:NZニュースサイト参照)。個人的には、今回のCGは昔の特撮っぽい作りになっていて、「え!」と思ったところがありましたが、ドラゴンが暴れる火のシーンは圧巻です。
日本のクリエイターがCG制作に劣っているわけではなく(ハリウッドに移籍する人も結構いる)、大きな違いは、このような規模をレンダリングするサーバー群を持つことができないことだと思います。クールジャパンの宣伝活動にお金を使うなら、新政権として、ぜひ、低コストで利用できるレンダリングサーバーをクリエイターに用意してあげてください。

HP ProLiant XL230a Gen9 - 概要 | 日本HP

テクノロジーの進歩が英語を遠ざける

先日の飲み会のときに話。

VTRプレイヤーが高かった頃は、電気屋のおっちゃんが、機械をかってくれたお父さん向けに、「洗濯屋ケンちゃん」というのがタダでついてきたんだよ なんていう昔話をしていたのでした (まさに、「むかしわー」っていうやつです。ちなみに、僕はみたことありません。家にはVTRプレイヤーがなかった)。

実は、VTRプレイヤーのころは、洋画といえば『吹き替え』よりも『字幕』の方がレンタルショップにも数が多かったもので、米映画を観る=英語を自然に聞く機会が多いということでもありました。

数年前に実は気がついたことではあるのです。それは、今のDVD/BRプレイヤーだと、デフォルト設定では、通常、日本語吹き替えが選択されるようになっていること。ぼくは、毎回毎回、めんどくさいことに英語の選択していて、うざ!と思っていたら。。映画館も気がついてみれば、今や、吹き替え版がかなり多くなってしまっています。

そういうこともあり、人気の米TVドラマ『24』の次のような話題は、ぼくにはまったくピンきません。吹き替えをみたことがないので。でも、多くの人は、これにピンと来るんですよね。

他にも、Webサイトへのアクセスでも同じような感じに。

アクセスユーザーのIPアドレスをみて、ウェブサイトが勝手に、アクセスしてきた国や言語のサイトに自動的にリダイレクトするところが増えています。

例えば、このサイトをクリックすると、どうでしょうか? www.hp.com というHP本社サイトをリンクしていますが、日本HPサイトにリダイレクトされませんか? (ぼくは仕事上、日本法人サイトを見るよりも、本社サイトを見て調べていることが多いので、いちいち、これも、設定を変える必要があり、めんどくさい。。と思ってしまいます)

このようにテクノロジーが進歩していくと、どんどんと快適な(快適っぽい)環境を提供してくれるのですが、英語に触れあう機会ということは減っていくことがわかります。