感想: 『起業して3年以上「続く人」と「ダメな人」の習慣 』(伊関 淳 著)
世の中は、「起業」「スタートアップ」の『キーワード』ブームです。この手の言葉がブームということは、実際は、まだまだ起業する人は増えていないと思いますが、起業に興味を持っている人は増えていると思います。
そんな中、『起業して3年以上「続く人」と「ダメな人」の習慣 』(伊関 淳 著)を読みました。
著者の伊関さんは、前職の先輩です。日本ヒューレット・パッカードというバリバリのIT企業から、数年前に社労士という異業種で独立し、現在では起業支援を含めて、いろいろな仕事をされています。日本ヒューレット・パッカード時代は、できる営業で信頼されていた人です。
本書は、ほぼ毎月のように開催している起業支援セミナーや実際の起業支援で見てきた事例を元にして、成功する起業というのは、どういうものかを、伊関さんの視点で書いた一冊です。
伊関さんは、ウェブサイトで、「マスコミに登場するような0.1%にも満たない華やかな起業家のイメージとは程遠く、泥臭く、それでいて、誰もが実践できる日常の習慣や思考法」が必要だと指摘しています。そういうスタンスで書かれた本ですので、ベンチャーキャピタルからXX億円を投資を得る方法であったり、起業で世界を変えるぞ! みたいなノリの起業本ではありません。事例を中心に書かれていますので、読みやすい一冊です。起業に興味がある方は手に取ったり、あるいは、伊関さんの起業支援セミナーに参加されるのもイイと思います。
で、本題の起業ですが、現状は大変です。今は、ネットにも情報があふれているので登記については簡単にできます。最終的には、どれくらい長く続けることができるかが大切だと思います。
中小企業庁の白書 会社の設立登記数及び会社開廃業率の推移 を見ると、次のことがわかります。
- 開業率が高いのは、高度成長期
- 開業数が多いのは、バブル期
(企業数が増えると、開業する数が増えても、開業率という割り算では、その数値は減っていきます)
つまるところ、起業する人が多かったのは、高度成長期とバブル期という『景気のよかった時期』ということがわかります。
そして、バブル崩壊以降、開業する率よりも、廃業する率が高い年が、以前に比べて増えています。つまり、日本では、起業しても、長く続くことが少なくってきていることがわかります。
今、一般に、企業の平均寿命は35年、起業して3年以上続く企業は、40%に満たないとも言われています(弊社も、今年が3年目ですので、正念場です)。
アベノミクスがスタートしてから、徐々に景気が持ち直しているデータは出てきていますので、これから、景気のさらなる拡大にあわせて起業する人が増えてくる可能性も高いことでしょう(ただ来年の消費税導入あるかどうか次第でかなり変わりますが)。
ぜひ、起業される方には、がんばって欲しいなと思います。(ぼくもがんばっていきたいと思います。。)
キャリア支援の一環で、以前に、起業情報を集めた資料を作りましたので、最後に、それをリンクしておきます。