Akai's Insight & Memo

かなり小さなマーケティング会社の社長のブログ。MKTインターナショナル株式会社 代表取締役社長 赤井 誠。http://www.mkt-i.jp id:mktredwell

感想:「最も効率的な語学習得法」を知るための一冊『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(斉藤淳著)

英語というと、とかく批判されがちな日本の英語教育です。それが、変な方向に進んで、いろんなところで、炎上も引き起こしています。

ぼくが通った県立高校では、たまたま留学生を担当する英語の先生が、担任だったり、当時、先端的な英語学習方法を紹介してくれた上智大学出身の先生が英語の担任だったりして、いわゆる受験英語にどっぷりという英語方法を学ぶことがなかったので、運がよかったと思っています。

特に、上智大学出身の先生は、発音の指導に時間をかなり割いてくれたり、リズム教育(Jazz Chantsなど)も取り入れたりしていました。卒業後してからのちに、そのような受験英語ですぐに点数につながらない教育方法は、先生コミュニティでは、批判されていたと聞きました。

僕にとっては、英語の学習という意味で、視野が広がって、役に立った授業でした。結果として、大学卒業後、ずっと外資系企業やグローバル企業で働いたり、支援させていただいたりということができているのも、この経験があったからこそです。

しかし、他のクラスや学年ではそういった環境にはなかったようです。発音がまったくできない先生も実際にいました(ラッキーなことに、ぼくは、公立の中学、高校では、英語がまったくできない先生にはあたっていない)。

そういうこともあり、英語の勉強的なるものは、いつの時代も興味があって、本を読んだり、話を聞いたりします。そこで、今回、紹介するのは、以前、このブログで紹介した J Prep 斎藤塾 代表 斉藤淳先生による初めての語学書『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』です。


元イェール大学助教授として活躍されていた斉藤先生は、数年前に帰国し、中学・高校生向けの英語塾を自由が丘と酒田で開校されています。

先日、アイキャリ主催(キャリア支援のグループ)において、本書籍の出版直後というタイミングで、講演をいただきましたhttp://it-career.jimdo.com/。ということもあり、書籍の内容に加えての情報も少し織り込んでの感想です。

英語塾を開くにあたって、斉藤先生の問題意識は、次のように始まります。

『イェール大学には毎年のように、世界中から超優秀な若者たちがやって来る。とくに、中国・韓国・台湾からの留学生は増え続けており、その数は日本人留学生をはるかに上回るほどだ。彼らと日本人留学生を比較すると、日本人だけが圧倒的に英語ができない。しかも、いつまで経っても、どういうわけか上達していかない。』

そういう状況を見たときに、どうしていったらいいのか? その回答の一つが、英語塾の開校につながります。

実は、斉藤先生によれば、「最も効率的な語学習得法」については、もうすでに一定の「答え」が世界的に確立されているそうです。そして、イェール大学をはじめアイビーリーグの大学では、その語学学習方法を実践しているといいます。しかし、一方国内では、多くの人が知っているように、日本の英語教育には、さまざまな課題があります。

例えば、強引に英単語を覚えていく暗記方法については、効率的ではないとします。講演で紹介していただいた事例にもありましたが、動画を教材として、見ることにより、単語を見るだけでなく、それが意味するシンボルがわかるというか、重要だと述べます。

これは、確かにそうだなと思うのです。例えば、I like pizza. という文章があったとき、ピザがどういうものがわからないなら、なんのこっちゃわからないけど、pizza は、食べ物だという程度にしか覚えられません。

ぼくの好きなマンガ『ハンターxハンター』でのハンター試験の課題「寿司を作る」というのがあったとき、日本のことを知らない(原作では、japonとなっている)受験者の多くは、「寿司って、なんだ?」と頭をひねります。大まかな情報がわかっても、とんでもない寿司が次から次にでてきて、落ち続けます。

つまり、単語だけわかっても、実際に見たことがないとよくわからないということ。

本書は、「最も効率的な語学習得法」を紹介するガイドとなっています。そのため、英単語や英作文をたくさん紹介するといった内容ではありません。最も効果的な語学習得方法「目で見て・口を動かす」を、テーマにそって、紹介し、章末には、参考図書や教材を紹介するという構成されています。

英語塾の先生が書いた本ということで、中学生・高校生向けの書籍と誤解されるかもしれませんが、大学生・社会人向けに使える内容となっています。まず、どうやって、英語の勉強を始めたらいいのか? と疑問にもったら、一度手にとってもらえると、いいと思います。

今、売れているそうですので、全国の書店で手に入るようです。