米ドラマ冬 2016 感想シリーズ:ニューオーリンズに行きたい
さて、続けてみている米ドラマ(カナダもあるけど)の感想リスト。
- メンタリスト シーズン6
ながく続いたレッドジョン探しは、このシーズンで終わり。それもシーズン最終話でなくて、途中で決着する。シリーズ後半は、カルフォルニアからテキサスに場所を移します。レッドジョンについては、ネタバレになるので、誰がとは書きませんが、レッドジョンはものすごくできるヤツ というのが、シリーズ全体の流れでしたが、正体はこれかよ。。というのが正直な感想。
流れで見たけれど、すでにシリーズは面白くなくなっているので、シリーズはシーズン7で終わり。シーズン7はすでに米では放送終了済。
- SCORPION/スコーピオン
実在のIQ197のコンピューターの天才 ウォルター・オブライエンをモデルにしたドラマ。天才集団が、米国土安全省から仕事を受けて活躍する話。ペイジ・ディニーンを演じるのは、アメリカン・アイドルで準優勝したキャサリン・マクフィー。アイドル歌手から女優へ上手く転身できた感じです。これは、佳作という感じで面白いです。超面白いわけではないけれど。
すでにシーズン2も放送されている途中。
こちらは、暗くもないしなので、軽く米ドラマをという人にはお勧め。
- NCIS: ニューオーリンズ
NCISシリーズの最新スピンアウトのニューオーリンズは、その名の通り、ニューオーリンズが舞台。LAは、ターゲットが20-30歳くらいだとすると、ニューオーリンズは、本家NCISと同じくらいのターゲットで、40-60歳くらいがターゲット。主人公も結構なお年です。
ニューオーリンズの特徴は、そういう意味では、本家からたくさんのゲスト出演が多いことです(ギブスだけでなく、ディノッソなどのレギュラー以外にも、FBI捜査官、海上保安な女性なども登場)。
始まったばかりのシリーズなので、NCISを知るにはいいでしょうか。 シーズン2も続いているので、しばらくは続きそうです。
これを見て思うのは、ジャズの街 ニューオーリンズに行きたいなということ。USにいたときに行けばよかったと。。
- エレメンタリー ホームズ & ワトソン in NY
現代のニューヨークを舞台に、シャーロック・ホームズが、ワトソン「女史」と難事件に挑む!というシリーズ。
シャーロック・ホームズを演じるのは、ジョニー・リー・ミラー。『トレインスポッティング』のシック・ボーイ役で有名。ジョン・ワトソンではなく、ジョーン・ワトソンを演じるのは、『チャーリーズ・エンジェル』シリーズで有名なルーシー・リュー。
これは、面白いです。シャーロック・ホームズは、すでに著作権が切れているので、いろいろなリメイクが作られています。有名なのはカンバーバッチのシャーロック。こちらのリメイク(リメイクというのかな)も、大ヒット。ジョニー・リー・ミラーが演じるホームズの変人ぶりが最高だし、演技も妙にかわいらしい。
かなりお勧めのシリーズです。
- NCIS:LA ~極秘潜入捜査班 シーズン6
かなり、安定したシリーズになったLA。すでにシーズン6。数シーズン前は、主人公が、ディークスみたいな構成になっていましたが、今回は、Gに主人公が戻った感じです。
さすがに少し飽きてきたところなので、米でも次のシーズンがあるかどうか分からない模様。シーズン6は、安定したおもしろさなんで、外れではないですが。
- ホームランド シーズン1〜4
これは、面白いです。
主人公はCIA対テロ局員のキャリー・マティソン。イラクで任務中に行方不明となった米海兵隊員ブロディは、無事救出され英雄として帰還していたけど、このブロディは、もしかして、スパイ??というは話が、シーズン1〜3。そして、新しいのがシーズン4から始まります。
個人的にいいなぁと思ったのがシーズン2から登場するCIAのピーター・クイン。やっぱり、人気があったようで、どんどんと役回りが重要になってきます。最初はいやなヤツです。
あとは、クリミナル・マインドのギデオン役だったマンディ・パティンキンによるソール・ベレンソンもいい。そして、難しい双極性障害のキャリーを演じるクレア・デインズはすごい。シーズン1の最後は、本当にすごい演技だった。
こちらは、MUSTでお勧め。
- ザ・フォロイング シーズン2
フットルースのケビンべーコンがライアン・ハーディ役で主演。大学教授で作家でもある殺人鬼 ジョー・キャロルを追ったのがシーズン1。シーズン2は、ジョー・キャロルにあこがれる新しい殺人鬼も登場するという展開。つまり、殺人鬼は2グループ。シーズン1は、ジェットコースターなクライムサスペンスでしたが、シーズン2は、ちょっとだるいところもありました。
シーズン2では、ライアンの姪として、マックス・ハーディが登場。個人的に、マックスいいです。やっぱり、だるいなと思っていたら、シーズン3で打ち切り。
- コンティニアム CPS特捜班 シーズン2
カナダのSFドラマ。
バンクーバーを舞台に、2077年での処刑を逃れて2012年にタイムトラベルしたテロリスト・グループと、それに巻き込まれてタイムトラベルすることになった警護官との対決を描く物語(Wikipediaから)。
キーラ・キャメロンを演じるのは、レイチェル・ニコルズ。クリミナル・マインド FBI行動分析課で、アシュレイ・シーヴァー役を演じいて、イイ役回りだったのに、いきなり次のシーズンで消えたのは、このシリーズへの主演のためだったはず。(クリミナル・マインドの方では、出演者が「シーヴァーは、XXへ配属になったわ」と台詞を言って、終わらされてしまった)。
レイチェル・ニコルズがいいので、お勧め。米ドラマばかり見ていると、サブの俳優が、どこかで見た人ばかりになるのですが、カナダのドラマなので、見たことない人ばかりで、新鮮。こちらは、人気シリーズとなって、シーズン4まで続いて、終了(内容的にシーズン10とか続ける内容ではない)。
こちらも、お勧め。
それにしても、AXNのサイトはリニューアルしてから使いにくくなった。これはあかんですね。。
感想:『この経済政策が民主主義を救う: 安倍政権に勝てる対案 』(松尾 匡 著)
『この経済政策が民主主義を救う: 安倍政権に勝てる対案 』(松尾 匡 著)を読了。
松尾先生は、立命館大学の教授。マルクス経済学を専門とする経済学者です。ということもあり、スタンスは、左派から安倍政権に勝つ(=松尾先生の定義では民主主義を救う)ための経済政策を紹介する書籍になっています。
ざっくりとした結論は、「もっと金融緩和をして、もっと給付や減税などの財政出動して、国民(よりも、人民!かな)を助けることが勝つ政策だ」ということになるでしょうか。
内容は、
第1章 安倍政権の景気作戦―官邸の思惑は当たるか?
第2章 人々が政治に求めているもの
第3章 どんな経済政策を掲げるべきか
第4章 躍進する欧米左派の経済政策
第5章 復活ケインズ理論と新しい古典派との闘い
第6章 今の景気政策はどこで行きづまるか
となっています。第2章では、一般国民が政治に求めているのは景気・経済なんだということを説明しつつ、それに対して、きちんとした経済政策を出せないと第1章などで、紹介しているように、「安倍政権にやられてしまって、最終的に憲法改正」などをやられてしまうよと。安倍総理は本気だと強く訴えています(アジテーションっぽいのですが)。
それは、書籍の前書きを紹介した次の記事を読むと雰囲気が伝わってくると思います。
異次元の金融緩和と大規模な財政出動(公共工事だけではなく、いろんな分野への財政出動。給付など)は、欧米では左派の政策であることを紹介しています。特に、欧州において、左派が最近躍進していることを紹介し、彼らの政策が異次元の金融緩和と大規模な財政出動であることも紹介します(ただ米国の例は、正しくないと思います。サンダース候補はマクロ経済政策はほぼ何も言っていない)。
世界の左派・リベラル派のノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン、ジョセフ・スティグリッツ、アマルティア・センや『21世紀の資本』のトマ・ピケティが、日本に来日したときのインタビューを引用して、アベノミクスを支持してることと、その背景を紹介しています。そして、日本の左派・リベラル派は、金融緩和反対・財政規律重視のために、世界の潮流と違う方向に進んでいるので、これだと勝てないということを嘆きます。
ご本人が書かれているように、松尾先生は、左派・リベラル派のメディアでも滅多に取り上げられませんし、政党でもブレーンとしているところはありません。この書籍が売れれば、もっと取り上げられるかもしれません。
感想としては、アジテーションがかなり強いところがあるので、それを割り引いて読んだ方がいいかなと思います。あと、田中秀臣先生のブログでも書かれていましたが、ぼくも気になったのが、「長期的には日本の潜在成長率を0%」としているところです。論文に書かれたそうですが。なお、第4章の北欧の話、第5章は勉強になりました。
感想:『2020年 世界経済の勝者と敗者』(ポール・クルーグマン 、浜田 宏一 著)
『2020年 世界経済の勝者と敗者』(ポール・クルーグマン 、浜田 宏一 著)を読了。
ノーベル経済学賞の「クルーグマン」と安部政権の経済ブレーンの「浜田宏一」氏というリベラル派経済学者2名が、米国、日本、ヨーロッパ、中国の経済を対談本となっています。対談といっても、一方の論者が話すページ数は多いので、会話と言うより、一方が講義して、一方が聞いているという感じです。
対談をまとめたのは、クルーグマンの定期インタビューで定評のある大野 和基 氏です。クルーグマンは、長らく所属していたプリンストン大学を離れ、近頃、ニューヨーク市立大学教授になっています。ニューヨーク市立大学教授名義での日本での著作は、はじめてとなるのではないでしょうか? 伝え聞くところによると、ニューヨーク市立大学では、「格差」についての研究をするとのことですね。
浜田先生は、なんと80歳で近頃作曲家としてデビューされています。
クルーグマンは、インフレターゲットを強く主張していたこともあり、金融政策一本槍という誤解がありますが、金融と財政政策をしっかりやりましょうという立場です。
1冊読んでいると、同じ構造、同じ話の繰り返しになっていることに気がつきます。対立軸は、緊縮 対 反緊縮 なのかなと思います。財政赤字があるので、緊縮財政を求める声は、特にヨーロッパと日本で強く、これがうまくいっていないことを嘆いています。
中国については、お二人とも悲観的です。クルーグマンは、以前から、米国リベラル系ロックミュージシャンのように、中国に対してかなり批判的です。この中国の経済状況だと、中国政府が目をそらすために、暴発的に日本と中国と紛争が起こる可能性があるかもと警鐘を鳴らしています。
お二人の話からでは、ユーロ圏については、今後どうしたらいいのかが見えないです。
日本については、クルーグマンは、「今、消費税増税すべきではない」というスタンスは変わりません。女性活躍の支援などをもっということも話をされています。日本は、結局のところ、消費税増税しない、緊縮財政しない、金融緩和は続けるなど、アベノミクスのさらなる推進をといった感じです。
1時間程度で読めるので、通勤電車でさっくりと読むといいと思います。
感想:今もっともノっている作家米澤 穂信 さんの『王とサーカス』
三が日は、このミス2年連続1位になった米澤 穂信 さんの『王とサーカス』を読みました。
米澤 穂信さんですが、おそらくこの5年を見ると、もっとも充実している作家だろうと思います。個人的には90年代の宮部みゆき(模倣犯や蒲生邸事件のころ)、京極夏彦(京極堂シリーズのころ)、2000年代前半の伊坂幸太郎(ゴールデンスランパーまで)のような感じです。
ネタバレなしでのあらすじは、というと。
新聞社を辞めたばかりの主人公 太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールを訪問。すると、ディペンドラ王太子が父・ビレンドラ国王ら多数の王族を殺害して、本人も死亡。弟が国王に即位した「ネパール王族殺害事件」に遭遇し、彼女はジャーナリストとして早速取材を開始したところ、彼女の前にはひとつの死体が。。。
はじめ現在の設定で読み始めたところ、「あれ?」と思うところがあり、「ネパール王族殺害事件」で2001年を舞台にしていることがわかり、時代背景がわかりました(内容的に、2001年だからというものではないです)。主人公の大刀洗は、1991年を舞台にした『さよなら妖精 (創元推理文庫)』で登場していることから、一応、続編ということなっていますが、読んでなくても大丈夫です(実際に、ぼくは読んでいません)
「ネパール王族殺害事件」がナゾに包まれたもので、その余波で最終的に王制がなくなってしまうという大事件でしたが、その謎解きをするというストーリーではありません。彼女の前にひとつの死体が現れるのですが、そのナゾをときながら、彼女の生き方に迫っていくストーリーです。そのため、誰が誰を殺したかみたいな部分は、すぐに分かるように記載されています。それではなく、本当のどんでん返しはどこにあるかは、最後まで読むとわかります。前半からの仕込みもきれいに回収しています。
個人的には、米澤 穂信さんの作品でお勧めは、『儚い羊たちの祝宴』です。当時の帯には「あらゆる予想は、最後の最後で覆される。ラスト1行の衝撃にこだわり抜いた、暗黒連作ミステリ」とありましたが、最後の最後で「えーーー!」なって終わる短編小説集です。こちらはすでに文庫になっているので、きっかけにいかがでしょうか?
感想:(ネタバレなし)ゲーム・オブ・スローンズ シーズン5
『ゲーム・オブ・スローンズ シーズン5』 を観たので、感想を。
ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記 コンプリート・セット(5枚組) [Blu-ray]
(今や、シーズン1は、ブルーレイでも2,782円!)
といっても、いつものようにネタバレなし(かすかにありますが、ストーリー的には大きく分からないように書いています)です。
シーズン5は、シーズン4よりも個人的には面白くなかったかなぁといいたい気持ちが、前半続きました。いつも、前半はトロロロと進むことも多い
のですが、今回は特にそう感じたのでした。あと、いつものシーズンだとピークになる話が1つくらい
感じるのですが、今回の後半3話は、すごい濃密であり、かつ、衝撃的な終わりを見せて、かなりびっくりです。
そのため、シーズン全体で観ると、感想が難しいです。
前回のシーズン4の感想でも書いていますが、「主人公」だと思われている、または思っていた人が、いきなり死ぬ死ぬ。。今回もそうでした。
そのため、普通のハリウッド映画のように、危機になったも、主人公は絶対に助かるんだなんて、思ってみていると、ものすごく裏切られます。
あと、このシリーズは、ずっと、「やたらといやなヤツ」がでてきます。性格悪い、変質的。。。
とてつもなく憎くていやな役柄のサーセイ・ラニスター(レナ・ヘディ)は、今回は、いつもにもまして、いやな女性です。ジョフリー・バラシオン(ジャック・グリーソン)が、いやなやつNo.1でしたが、これでいやなやつNo.1になったと思いましたが、実は上には上がいました。
このシリーズは、いくつもの主要人物を軸としたストーリーが展開されています。しかし、必ずしも、彼らが交わることはなかったりすることも多いのです。個人的に気になるのが、ティリオン・ラニスター、デナーリス・ターガリエン、ジョン・スノウを軸としたストーリーです。
今回は、とうとうそのティリオンとそのデナーリスが交わったのがポイントでしょうか。
ティリオン・ラニスターを演じる(小人症という設定)ピーター・ディンクレイジは、いつも上手くてすばらしいです。
今回のデナーリス・ターガリエンのベストシーンは、ある人が女王であるデナーリスのために闘うといって戻ってきたときの彼女の表情ですね。愛した女性が悪かったというか。意外だったシーンは、それまでデナーリスはヌードになっていたのに、今回からベットシーンではヌードシーンなし(あれ。。)
ジョン・スノウのストーリーは、いつも悲しく、なかなかハッピーにならないのが観ていてつらいですね。
シーズン5までで、原作の在庫は切れたそうなので、シーズン6以降は、原作者とTV制作チームが一緒になってストーリーを作っていくそうです。これだけ話が広がってしまったシリーズをどうやってまとめていくかが問われるでしょうね。