Akai's Insight & Memo

かなり小さなマーケティング会社の社長のブログ。MKTインターナショナル株式会社 代表取締役社長 赤井 誠。http://www.mkt-i.jp id:mktredwell

翻訳生活が長くなったので少しツールを紹介してみる

f:id:mktredwell:20191204215010j:plain
日本をバックに演奏するU2
書き手と編み手の Advent Calendar 2019 へ参加中です。

adventar.org

参加を決めたのが、ギリギリだったので、余裕のあるスケジュールにできなかったのが痛恨だったが、書きたいと思っていたテーマは前から決めていたので、大丈夫!(でも、乱文、乱筆ごめんなさい)

会社員時代から、市販の書籍を20冊程度(主に技術書)書いたり、また、今は、外資系企業を中心にして、ブログやニュースの原稿を翻訳文を校正したり、ゼロから翻訳したりしています。市販の書籍も、オリジナルで書いた本はほとんどなくて、多くは翻訳本です。また、会社員時代も、部署での仕事がマニュアルの翻訳だったということもあり、かれこれ、かなり長い間、翻訳に関わっています。でも、元々の本職は、ソフトウェア開発エンジニアだったり、マーケティングだったりしますので、翻訳経験は長いのですが、フルタイムの翻訳者ではありません。

市販本での最後の翻訳書は、『リフレが正しい。FRB議長ベン・バーナンキの言葉』という経済書でした。知り合いの編集者にすぐに出版したいということで、ゴールデンウィークを潰して、友人と日本に関する章を2つ翻訳しました。日本に関する章は、バーナンキが来日したときの講演原稿になっています。

翻訳原稿を提出した後で、当時のバーナンキの講演に関するニュースや記事を読んでみたのですが、講演内容とかなり違ったものになっていて、びっくりしたものです(はっきりいって、報道内容が間違っていたり、勝手解釈で内容を曲解していたりでひどい。。)。機械翻訳の方がましやんと思ってものでした。

さて、そんなこんなで、多くの翻訳を行ってきた中で、大きな変化はなんといっても、翻訳メモリと自動翻訳ツールでしょう(と書きながら、自分自身がゼロから翻訳するときは、どちらも使っていません。電子辞書だけで済ましています)。

翻訳メモリ(TM)とは?
翻訳メモリ(TM=Translation Memory)とは、自分または他人が過去に行った翻訳をTMと呼ばれるデータベースに登録しておきリサイクルするツールである。TM には原文と訳文のペアが大量に蓄積されており、翻訳者はWordもしくはエディタなどで翻訳中に翻訳済みの文をTM に登録する操作と、TMを参照してリサイクルできる訳文を探す操作を交互に繰り返す。
翻訳支援ツール 翻訳メモリ(TM)|JTF 日本翻訳連盟

いろいろな翻訳辞書があります。オープンソースでは、OmegaT(オメガティー)が有名です。
ja.wikipedia.org

翻訳メモリーは、使い方が分からない人もいるのですが、慣れると効率的に翻訳できるので、ぜひ触ってみてください。

そして、やはりこの数年、いろいろなところで利用が増えているのが、Google翻訳です。ある英語圏クラウドサービスで日本語版ができたというので、アクセスしてみると、強烈な違和感のあるメニューがありました。例えば、ヘルプ が、 助けて! になっていて、、、

無償で使いやすいということもあり、英語が得意でないかたが、よく利用されていますね。

古巣のHPが分社して、HPEとなり4年経過したというブログを翻訳してみることにしましょう。

出でよ! Google翻訳!!

HPE turned 4 years old this month and we have a lot to celebrate. Like surpassing industry benchmarks and having our highest-ever employee engagement scores!

That’s what our annual employee survey revealed, and we couldn’t be happier.

On 19 out of the 20 industry benchmark items, we scored higher than the industry benchmark average for the other technology companies we’re measured against—23 to be exact. And on the remaining item, we scored equal with the other companies.

Dare we say we’re better than the rest? Let’s just say we believe that HPE is the place to be.

Bolstering our claim is the fact that our team members are more engaged than ever. The survey showed a whopping 18-pt increase over the last two years for our employee engagement index. And, it’s our highest level of engagement since HPE started celebrating birthdays.

It sure is nice to keep getting better as we get older.

Happy birthday, HPE, and many more!
https://community.hpe.com/t5/Careers-in-Tech/HPE-boasts-the-highest-employee-engagement-scores-in-company-s/ba-p/7070391#.Xe-FSJP7TOQ

HPEは今月4歳になりましたが、祝うべきことがたくさんあります。 業界ベンチマークを上回り、かつてない最高の従業員エンゲージメントスコアを獲得したい!

それが、私たちの年次従業員調査が明らかにしたことであり、私たちは幸せになれませんでした。

20の業界ベンチマーク項目のうち19で、私たちが測定した他のテクノロジー企業の業界ベンチマーク平均よりも高いスコアを付けました。正確には23です。 そして残りの項目については、他の会社と同等の得点をつけました。

私たちは他の人よりも優れていると言うでしょうか? HPEがその場所であると信じているとだけ言っておきましょう。

私たちの主張を強化するのは、チームメンバーがこれまで以上に関与しているという事実です。 この調査では、従業員エンゲージメントインデックスが過去2年間で18ポイントという驚異的な増加を示しました。 そして、HPEが誕生日を祝い始めて以来の最高レベルのエンゲージメントです。

年をとるにつれて良くなっていくのはいいことです。

お誕生日おめでとう、HPE、その他多数!

悪くはありませんし、意味も分かるのですが、ビジネスパーソンが書いている文章としては、、、、です。

そこで、最近、利用者が増えているのが、Amazon Translateです。
aws.amazon.com


Amazon Translate は、ニューラル機械翻訳サービスとあります。ま、AIを使った機械翻訳とでもいっていいのでしょうか。こちらをGoogle翻訳で翻訳した同じ英文を翻訳してもらうことにしましょう。

出でよ! Amazon Translate!!

HPEは今月4歳になり、祝うべきことがたくさんあります。 業界のベンチマークを上回り、最高レベルの従業員エンゲージメントスコアを持つように!

これが、年次従業員調査で明らかになったもので、これ以上幸せになれませんでした。

業界ベンチマーク項目20件中19件で、当社が測定している他のテクノロジー企業の業界ベンチマーク平均を上回るスコアを正確に23件としました。 残りの項目では、他の企業と同等に得点しました。

我々は残りの部分よりも優れていると言うか? HPEが実現するべき場所だと私たちは信じているとしましょう。

私たちの主張を強めることは、私たちのチームメンバーがこれまで以上に関与しているという事実です。 この調査では、従業員エンゲージメント指数の過去2年間でなんと18ptの増加が示されました。 また、HPEが誕生日を祝って以来、最高レベルのエンゲージメントです。

年をとるにつれて、良くなり続けるのはうれしいです。

お誕生日おめでとう、HPE、その他多数!

悪くはありませんし、意味も分かるのですが、ビジネスパーソンが書いている文章としては、、、、です。

仕事で文章を書くときに利用する使い方としては、いくつかあると思います。

  • ざっくりと概要を知るために利用する

文章量が多い原稿をさっくりと意味をとらえるために利用する方法です。

  • 翻訳の下書きに利用する

下書きに利用している方は多いようです。機械翻訳からフルタイムの翻訳者が下訳をベースにして納品するレベルの原稿とするのは、90年代からすでに利用されてきました。翻訳辞書が鍛えられていくと、まずまずの翻訳文が得られるようになります(翻訳メモリーを使う場合も同じく、蓄積されていくと質が上がっていきます)。

ぼくは、今はゼロから翻訳するのはほとんどなくて、誰かが下訳したものを校正することが中心なので、元の原稿がどのように作成されているかは知りません。

機械翻訳は、今後ますます利用されていくでしょうし、目に見えないような利用も増えてくると思います。たまに、ぼくも、利用しながら、ちょっとした翻訳に利用できるようにしていきたいとは思っています。 Amazon Translateだと、辞書登録もできて、大量に文書を翻訳でき、かつ、かなりの低価格です。期待しています。

予想経過報告:ラグビーワールドカップ

夢のラグビーワールドカップ日本大会も、今週で終わりです。

金曜日の3位決定戦(ニュージーランドウェールズ)、土曜日の決勝戦イングランド南アフリカ)です。

個人的には、やっぱりのジャパンベスト8達成ですね。前回のブログで予想は、3勝1分けで、決勝トーナメント進出でした。なかなかいい線いっていました。

mktredwell.hatenablog.jp

写真は、観戦に行った日本代表対スコットランド代表が開催された日産スタジアム

f:id:mktredwell:20191013182000j:plain
横浜スタジアム

そして、試合終了直後のシーンです。


f:id:mktredwell:20191013214248j:plain

決勝トーナメント進出予想の方は、以下でした。

プールA: アイルランド、日本
プールB: ニュージーランド南アフリカ
プールC: イングランド、フランス
プールD: オーストラリア、フィジー

フィジー以外は、あたっています。フィジーは、初戦のアクシデント(豪のハードアタックで相手が退場にならなかった)があったりして、ペースが崩れてしまったかなと思います。フィジーサモア、トンガは、どうしても、経済問題から常にトップチームを作れない状況があり、練習不足となる傾向あるのですが、今回は、フィジーはかなり練習できたようなので、期待していましたが、厳しかったようです。

優勝予想は、イングランドで、決勝戦の相手は、ニュージーランド南アフリカを予想していたので、これもあたったかな。。

最後の2試合を楽しみたいと思います。

ワールドラグビーも驚く日本開催ワールドカップの私的予想

f:id:mktredwell:20180623144730j:plain

とうとう、2019年9月20日に、第9回ラグビーワールドカップが開催されます。

今まではずっとテレビ観戦でしたが、開幕戦を含めて数試合、直接観戦できることになりました。

国際統括団体ワールドラグビー(WR)によれば、販売予定のチケット180万枚のうち164万枚が販売済みということで、ほぼ全試合満員が期待できそうです。昔からのラグビーファンは、ラグビーワールドカップの日本開催に喜びつつも、オールブラックスや日本代表の試合以外は、どれくらい観客が入るのかをおそれていたところもありましたね。

国際統括団体ワールドラグビーも驚いた日本開催のワールドカップ

事前レベルでは、英ファイナンシャルタイムスも、『日本開催のワールドカップ、驚き成功』と記事にしています。

www.ft.com

軽くサマルと、以下になります。

日本開催が決まった当時は、トータル売上は、過去に比べて20-25%落ちるだろうと予測していたが、最終的には、前回のイングランド開催よりも、大きくなるだろ。

テレビ放映権は、ヨーロッパ諸国向けには試合時間が早朝の場合が多いので、欧州テレビ局の放映権は下がったけれど、日本のJ Sports, NHK, 日本テレビが国内の放映権を購入したので、トータルでは増える見込み。

懸念は、スタジアムと開催都市を訪れる海外からの観戦者が、アルコールをたくさん飲むのに、現地が十分準備できてないこと

なんと、運営サイドの残った懸念は、「ビールが足りなくなるかも!!」だそうです。

もっとも混戦が予想されるワールドカップ

今回の大会は、もっとも激戦になるだろうと予想されています。過去は、南半球3ヶ国(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ)に、北半球から、イングランドやフランスが入ってのベスト4予想が多かったと思います。

今回は、優勝候補としては、世界ランキング5位までの国である

があります。おそらくですが、この5チームから優勝がでるでしょう。

個人的には、これらのトップ5に勝てる可能性があるチームは、過去の実績を見るとフランス、オーストラリア、フィジー、アルゼンチンだと思います。

希望を込めた予想

では、最後に希望を込めたワールドカップの予想。

プール組から(予選リーグではないですよ、プールです)

  1. プールA : アイルランドスコットランド、日本、ロシア、サモア
  2. プールB : ニュージーランド南アフリカ、イタリア、ナミビア、カナダ
  3. プールC : イングランド、フランス、アルゼンチン、アメリカ、トンガ
  4. プールD : オーストラリア、ウェールズジョージア、フィジーウルグアイ


勝ち抜け:

プールBのニュージーランド南アフリカがどちらが1位抜けするか、そして、プールCのフランスとアルゼンチン、プールDのオーストラリア、ウェールズ、フィジーの争いが激しいと思います。特に、プールDは死のプールですね。

日本戦を除くと、21日のニュージーランド南アフリカが注目です。この半年を見ていると、南アフリカがかなり調子よいです。ニュージーランドは、決勝までの考えていると思うので、初戦は少し調子上がらず落とすと予想します。

優勝予想は、イングランドです。

ただし、イングランドについては、準決勝で、おそらくニュージーランド南アフリカとあたります。ここが事実上の決勝戦かなと。ただし、イングランドは、ここで勝つと、決勝はニュージーランド南アフリカが対戦相手。なんと激しい。。

あと、ワールドカップで、一番盛り上がるのが、良くも悪くも、ニュージーランドが敗退するときです。たいていものすごい試合になります。

日本は希望と期待を込めて、3勝1引き分けで、1位通過です。こういうのは希望の予想でイイと思っています!

推しプレイヤー

最後に、ミーハー感覚での推しプレイヤーは、イングランドオーウェン・ファレルです。もう1人、ニュージーランドのダミアン・マッケンジーでしたが、直前に大けががあり、今回のワールドカップには不参加となりました。

www.nikkansports.com


日本選手での注目は「みんな」です。

ラグビーのルールは難しいと言われていますが、プレイヤーでもよく分かっていないこと多いので、気にしなくても大丈夫です。前にボールを投げてはいけないことと、ボールを落としてはいけないことだけを覚えておけば、OK!

あと、ラグビーは、監督がグランドに立てないので、試合がはじめると原則的には、キャプテンが試合をリードしていく必要があることもポイントです。そんなキャプテンシーもぜひ見てください。

ワールドラグビーも驚く日本開催ワールドカップの私的予想

f:id:mktredwell:20180623144730j:plain

とうとう、2019年9月20日に、第9回ラグビーワールドカップが開催されます。

今まではずっとテレビ観戦でしたが、開幕戦を含めて数試合、直接観戦できることになりました。

国際統括団体ワールドラグビー(WR)によれば、販売予定のチケット180万枚のうち164万枚が販売済みということで、ほぼ全試合満員が期待できそうです。昔からのラグビーファンは、ラグビーワールドカップの日本開催に喜びつつも、オールブラックスや日本代表の試合以外は、どれくらい観客が入るのかをおそれていたところもありましたね。

国際統括団体ワールドラグビーも驚いた日本開催のワールドカップ

事前レベルでは、英ファイナンシャルタイムスも、『日本開催のワールドカップ、驚き成功』と記事にしています。

www.ft.com

軽くサマルと、以下になります。

日本開催が決まった当時は、トータル売上は、過去に比べて20-25%落ちるだろうと予測していたが、最終的には、前回のイングランド開催よりも、大きくなるだろ。

テレビ放映権は、ヨーロッパ諸国向けには試合時間が早朝の場合が多いので、欧州テレビ局の放映権は下がったけれど、日本のJ Sports, NHK, 日本テレビが国内の放映権を購入したので、トータルでは増える見込み。

懸念は、スタジアムと開催都市を訪れる海外からの観戦者が、アルコールをたくさん飲むのに、現地が十分準備できてないこと

なんと、運営サイドの残った懸念は、「ビールが足りなくなるかも!!」だそうです。

もっとも混戦が予想されるワールドカップ

今回の大会は、もっとも激戦になるだろうと予想されています。過去は、南半球3ヶ国(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ)に、北半球から、イングランドやフランスが入ってのベスト4予想が多かったと思います。

今回は、優勝候補としては、世界ランキング5位までの国である

があります。おそらくですが、この5チームから優勝がでるでしょう。

個人的には、これらのトップ5に勝てる可能性があるチームは、過去の実績を見るとフランス、オーストラリア、フィジー、アルゼンチンだと思います。

希望を込めた予想

では、最後に希望を込めたワールドカップの予想。

プール組から(予選リーグではないですよ、プールです)

  1. プールA : アイルランドスコットランド、日本、ロシア、サモア
  2. プールB : ニュージーランド南アフリカ、イタリア、ナミビア、カナダ
  3. プールC : イングランド、フランス、アルゼンチン、アメリカ、トンガ
  4. プールD : オーストラリア、ウェールズジョージア、フィジーウルグアイ


勝ち抜け:

プールBのニュージーランド南アフリカがどちらが1位抜けするか、そして、プールCのフランスとアルゼンチン、プールDのオーストラリア、ウェールズ、フィジーの争いが激しいと思います。特に、プールDは死のプールですね。

日本戦を除くと、21日のニュージーランド南アフリカが注目です。この半年を見ていると、南アフリカがかなり調子よいです。ニュージーランドは、決勝までの考えていると思うので、初戦は少し調子上がらず落とすと予想します。

優勝予想は、イングランドです。

ただし、イングランドについては、準決勝で、おそらくニュージーランド南アフリカとあたります。ここが事実上の決勝戦かなと。ただし、イングランドは、ここで勝つと、決勝はニュージーランド南アフリカが対戦相手。なんと激しい。。

あと、ワールドカップで、一番盛り上がるのが、良くも悪くも、ニュージーランドが敗退するときです。たいていものすごい試合になります。

日本は希望と期待を込めて、3勝1引き分けで、1位通過です。こういうのは希望の予想でイイと思っています!

推しプレイヤー

最後に、ミーハー感覚での推しプレイヤーは、イングランドオーウェン・ファレルです。もう1人、ニュージーランドのダミアン・マッケンジーでしたが、直前に大けががあり、今回のワールドカップには不参加となりました。

www.nikkansports.com


日本選手での注目は「みんな」です。

ラグビーのルールは難しいと言われていますが、プレイヤーでもよく分かっていないこと多いので、気にしなくても大丈夫です。前にボールを投げてはいけないことと、ボールを落としてはいけないことだけを覚えておけば、OK!

あと、ラグビーは、監督がグランドに立てないので、試合がはじめると原則的には、キャプテンが試合をリードしていく必要があることもポイントです。そんなキャプテンシーもぜひ見てください。

技術書、ビジネス書、マニュアルやコンテンツマーケティングなことを書いてみて

Advent Calendar には絶対参加するものかと決めてから数年、とうとう参加することになりました(ウソです)。

さて、はじめてのAdvent Calendar参加は、「編集とライティングにまつわるアレコレ Advent Calendar 2017」 です。

adventar.org

参加している方々が、プロの編集者やライターの錚々たる面々。じゃ、ぼくはどうなのよということで、軽く自己紹介。

HP(ヒューレット・パッカード)でソフトウェアR&D→マーケティングになり、2011年に起業して、現在に至ります。

なぜこのAdvent Calendar に?となるとHP社内でも少し変わった職歴があるので。

HPで働き始めた当初は、開発仕事の他に、マニュアルの翻訳校正(翻訳は翻訳業者が実施)、マニュアルの執筆などをしていました(2年くらい)。そんなことをしていると、いろんなところから、技術書を翻訳しないか?というお誘いもあり、プレンティスホール(USでは名門です)、オライリーなどから翻訳書の出版。オリジナルではインターネットの入門書(そのときの編集者が、このAdvent Calendar を企画したモーリさん)を書きました。さらに、ひょんなことから、ビジネス書の翻訳(前FRB議長 バーナンキの講演録)にも関わり、自分自身の仕事のノウハウをまとめたビジネス書を出版。最近は、IT系のメディアにイベントレポートやインタビュー記事、IT企業のプロモーション記事などを書いています。

そんな感じなので、いろんな出版社や編集者の方々と仕事をしてきました。そこで、いくつか気になったところを取り上げてみます。特にオチがあるわけではありません。

社会人になった90年代のころ、DTPなどが一般に普及し始めたあたりの話から。

当時、HPでは、マニュアル制作には、HPtagというツールを使っていました。

TexユーザーグループにあるArthur Ogawaさんのインタビューに簡単な仕組みが記載されています。

Their SGML-based publishing system HPtag was much like the XML-based publishing systems of today, in use by, for example, the American Physical Society. In the case of HPtag, documents were first coded in SGML, validated, and then translated into TeX for typesetting by the macro package I wrote. HP product manuals of all kinds were produced using HPtag.

HPtagは、SGMLで最初に評価されてそのあと、Texを使って整形されるとあります。彼が話をしているように、HPでは、当時ほぼすべてのマニュアルにHPtagを利用しています。日本語版というか日本語を扱えるようにする開発は、当時の日本HPのエンジニアが渡米して実装しました(所属していた部署のお世話なった先輩)。最終ファイルは、HP製レーザージェットプリンター用(版下にそのまま利用される)に最適化され、そのまま印刷会社に受け渡し、紙に印刷されて出てくるという仕組みです。すべての作業がオンラインで完結するというプロセスが80年代末に完成していました(もちろん時代の流れともに、HPtagは商用のDTPツールへと移行していきます。そのあたりのツールの日本語化というかポーティングの仕事が決まりかけたこともあったのですが、その企業が買収されて、ぼくの仕事がなくなったなんてこともありました)。

この仕組みは、先輩が日本でのマニュアル制作などを行う集まりで何度も講演しているのを知っているので、日本では先端的だったようです。

個人的には、この時代に、一通りのテキスト作成(ゼロからの執筆、翻訳文の校正)、イラストなどの準備、レイアウトの実施から、印刷データの入稿まで実施していました。数十冊と作っていたので、頭の中が、タグだらけになり、プレーンテキストを読むと、自然にタグ付けしながら見てしまう状態(今でいうと、頭がMarkdownで構成されている)。

さて、商業出版の方はどうだったかです。出版社や編集者によってかなり違うやり方をやっていた気がします。

ビジネス書を書くようになったのは21世紀以降なので、技術書の領域になりますが。テキストの納品については、90年代初期は、プレーンテキストでの納品が多かったです。最初の頃は、必ずしもみんながPC持っていなかったこともあったのか、WORDを使っての執筆はしていませんでした。テキストの執筆は、回りを見るとエディターが中心だったと思います。僕はemacsを使って書いていましたが、先輩には、viを使っている人がいて、「すげー」と思ったものでした(viが苦手だったんです)。次に編集者とテキストファイルをやり取りをして、最終的に出版社がDTPに回して、レイアウトされたファイルを編集者が印刷して、昔は郵送されてきて、そこに赤入れをして戻すというプロセスでした。今は、PDFファイルが送付されてきて、PDFファイルのコメント機能を使ってコメントを入れて、フィードバックするというやり方が多いです。

なお、ひどい編集者は、日本語のチェックなしでスルー。DTPは読みにくいレイアウトになっていました。なので、こちらに届いてから、日本語の校正からレイアウトの修正指示をしたこともありました(どっちが編集者か分からない)。

ビジネス書については、WORDを使ってのファイルをやり取りすることが中心でした。

技術書と圧倒的に違う点は、編集者がすべてを書き直す勢いで、文章や構成を変えてしまうことでした。技術書の場合は、ほとんどの文章や構成に手を入れる編集者はいないと思います(いろんな出版社から20冊以上出しているのでたぶんそう。文章を読みやすくするなどはもちろん実施されます。ただ、ビジネス書は80%くらい書き換えるときもあるとか、文章を書き直されるのをいやがっていたらビジネス書は書けないとか、ある編集者は話をしていました)。あとすごく気になったのは、英数字を全角にすることです。こちらが半角(半角全角の定義もありますが)で書いても、戻ってくるのはすべて全角になっています。新聞社のサイトを見ると、URLなどが全部、全角英数字になっているのと同じです。これはものすごく違和感があります。自分の文章を修正されるよりもずっと。

で、最近流行のコンテンツマーケティング分野の話。

IT企業だけでなく多くの企業がコンテンツを自社のWebサイトに掲載して、プロモーションするのが一般的になっています。特に、2010年以降はやっていない大手の企業を探すのが難しい状況になっています。そのため、仕事柄、コンテンツマーケティング支援の一環で、IT企業のプロモーション記事の執筆することが多くなりました。多い月になると月にA4 数10ページくらい書いていたときもあって、ライターが本業か??というころもありましたが、最近はライティングの仕事量は絞っています。

そこで、積極的に使うようになったがGoogle ドキュメントなどのオンライン編集ツールの活用です。編集段階のコメントもどんどんと1つのドキュメントを共有した状態で手を入れていくというやり方です(昔から活躍しているIT企業は、まだまだWORDで履歴オンでファイルをやり取りしています。でもどれが最新ファイルか分からない)。印刷することが前提ではなく、レイアウトはテンプレート化されたHTMLファイルに投入するというプロセスです。弊社では、ぼくが文章を書き起こして、社員が校正や画像選定などをして、HTML化するという作業を繰り返しています。

Markdownなエディターで執筆するというのが、技術書の方向かなと思っていますが、コンテンツマーケティングを実施して行く上で、文章を大量に執筆していくには、関わる人が多くなりがちなこともありますが、参加者のリテラシーが違うということもあり、最後のオンラインドキュメントを直接修正していくやり方が中心になってくるんじゃないかと思っております。

最後に、自分としては、マニュアルを作る仕事は会社員時代に一番嫌いな仕事だったのですが、独立してから、そのころに習ったことでお金をもらっているということに、人生は先が読めないなとも感じています。

では、明日は、kmutoさんのエントリーになります。お楽しみに。