Akai's Insight & Memo

かなり小さなマーケティング会社の社長のブログ。MKTインターナショナル株式会社 代表取締役社長 赤井 誠。http://www.mkt-i.jp id:mktredwell

やってはいけない プレゼン5つの掟 (ってなレベルではない)

起業してから半年以上たち、師走です。大企業に勤めていると、プレゼンの機会は多いのですが、プレゼンを聞く機会というのは、あるようでありません。というのは、以前の会社では、セミナーなどで、新しい製品やソリューションの紹介を聞くことよりも、ベンダーの方から、直接ミーティングでじっくりと話を聞かせていただくことが多いからです。

そのため、今までと違って、セミナーで、各社の方々のプレゼンを聞かせていただく機会が増えました。そんな中で、気がついたことを、

「やってはいけない プレゼン5つの掟」

ということで、少しまとめてみました。

  • 否定形でしゃべらない

意外に多いのが、このタイプです。どういうものかというと次のようなスタイルです。

『弊社のMKTサーバーは、競合より、売上は小さいですが、順調にシェアを伸ばしています。』
『このMKTソリューションは、Windows Server をサポートしていないのですが、Linux をサポートしています。』
『本製品は、まだまだ、機能は足りないかもしれませんが、お客様には、満足して導入していただいております。』

日本人の特徴として、「謙虚さ」が最初にでてしまうものです。自慢しているように聞こえると、傲慢に聞こえるのかもという不安からきているのかもしれません。しかし、まず、伝えるべきメッセージは、『ポジティブ』なものからにすべきです。なぜなら、聴衆の方の「記憶容量」は大きいわけではありません。特に、新しい内容だと、一度に理解できる分量は多くないのです。そのため、最初に印象に残ったことを印象に強く残してしまう可能性が高くなります。

プレゼンテーションの基本は、『肯定で話すべし』 です。

  • 皮肉な笑いをしない

「話す」 ということではないのですが、なぜか、ジョークめいたことを言ったり、自虐的なギャグをしゃべったあとに、『皮肉めいた笑い』をする人がいます。また、聞いている人には、わからないのですが、しゃべったあとに、『皮肉めいた笑い』をする人もいます。うまい例ではないかもしれませんが、次のようなものでしょうか。

『パイオニアさんは、いろいろとメディアで話題になっていますが、弊社も、株価が下がって、買収のうわさがでてきて、どうなるかわかりません(笑)』

プレゼンテーションには、ジョークが必要だと思い込んでいる場合には、そういうことが見受けられるような気がします。

プレゼンテーションでは、『無理にジョークをしゃべる必要はない』 です。

  • いろいろと揺らさない

プレゼンテーターが、気がつかないでやっていることのひとつが、これです。揺らすものは、いろいろとあります。

体を揺らして、話をする人が、意外に多いです。体を揺らしながら、しゃべられると、聞いているほうは、その動きが気になります。小さな会場ではそうでもないのですが、大きな会場だと、すごく気になります。

体そのものを揺らさなくても、『手をぶらぶらする』 という人もかなりいます。アメリカのプレゼン講義だと、手が揺れるのを防ぐには、ポケットに手を入れる方法もあるというものがあります。しかし、これは、日本では行儀悪く見えるのでやめたほうが無難です。他に、マイクを握っていないほうの手を、マイクを握っている腕の下に抱えるという人もいます。これも、お勧めしません。

同じ系列に入るのが、『レーザーポインターを小刻みに揺らす』 というものがあります。最近は、レーザーポインターを使う方も多いです。この使い方がよくない人が、かなりいます。プレゼンテーターが、指し示すときは、一度しっかりと止めることが必要です。かなり多くの人が、ポインターで指し示すエリアを、左右にすばやく動かし続けたりします。小さな場所で、この行為を実施されると、目がくらくらします。大きな場所で、実施されると、光のスピードに目がついていけません。

プレゼンテーションでは、『自分を揺らすな、聴衆の心を揺らせ』 です。

  • 質問された以上を答えない

プレゼンテーションの途中や最後に、質問を受けることもよくあります(日本の場合は、海外よりも質問が少ないですが、ゼロというわけではありません)。 質問を受けたときに、「質問された以上のことを答える」人がかなりいます。例えば、次のような場合です。

質問「この製品では、Windows 7をサポートしていますか?」
回答「サポートしています。これ以外にも、LinuxやWindows Sever もサポートしています。また、要望があれば、MacOS も考えてます。」

質問する人が、聞きたい回答を明確に答えることが大切です。しかし、ひとつの質問に対して、自分が伝えたいさまざまなことを追加して、話をされるケースがあります。これは、サービス精神が高い方に多い特徴となるような気がしています。そのため、回答している人は、気がついてないケースがほとんどです。質問している人は、自分が疑問に思った点を聞いているので、その疑問に対して、ピンポイントで答えるということが必須です。先ほどあげたように、初めてプレゼンテーションを聞いた人の記憶容量は、それほど大きくないのです。

プレゼンテーションでは、『サービス精神が、メッセージを不透明にすることがある』 です。

  • 質問を勝手に理解しない

プレゼンテーターが、質問された内容を自分の解釈で実施して、回答するというものです。

質問者は、必ずしもプレゼンテーションの内容をすべて理解しているわけではありません。そのため、質問を明確にできないことが多くあります。その場合、質問が冗長になったり、少し的をはずすこともあります。そのとき、プレゼンテーターが質問を自分の理解だけで判断する必要はありません。

一度、「伺った質問の内容は、このような質問でよろしいでしょうか? 」と断ってから、質問内容を再度確認するということをしたりします。あるいは、複数の質問がある場合は、いくつかにまとめて、内容を確認したほうがよいでしょう。

プレゼンテーションでは、『質問は、自分の理解が絶対ではない』 です。

プレゼンテーションの本は、最近ブームなので、いろいろとノウハウ展開されています。悪い本はないと思うので、一度手にとってみるのがいいと思います。

ぼくの仕事は、プレゼンを中心にするわけではないので、プレゼン道を極める方向にはありません。しかし、『人のフリ見て、我がフリ直せ』でいきたいと思います。