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Akai's Insight & Memo

かなり小さなマーケティング会社の社長のブログ。MKTインターナショナル株式会社 代表取締役社長 赤井 誠。http://www.mkt-i.jp id:mktredwell

なぜ、Linux・オープンソースにフォーカスがあたらないのか? とまでは、時間がかかってかけなかった。。

少し前の記事だけど、ZDNeにオープンソースの記事があります。

大きくまとめると、2つのカテゴリがあります。一つは、iPadに代表されるようなタブレット市場でのオープンソースの活用。一つは、昨今の買収・売却によるオープンソース関連企業のビジネスが停滞することで、動きが出るということです。

メディアの記事を見てもわかりますが、実は、Android が動いている端末については、オープンソースの文脈で分析されることはまれです。おそらくオープンソースの文脈で今後語られるとすれば、知的財産権での取り扱いではないかと思います。Androidには、それ自身のライセンスも存在しますが、それ以外にも各種のオープンソースライセンスを使用したパッケージも存在します。Androidが普及するにつれ、その中に含まれるソフトウェアに、自社の知的財産権を侵害しているという訴えを起こす企業も増えてくる可能性があります。これらの訴訟は、ほとんどが個人に向かわず、グーグルやその他の大手ベンダーに向かうことになりがちです。そういうときには、ホットに記事なっていくだろうと思います。

買収・売却にかかわるオープンソースの混乱については、この数年オラクル社の活動に起因するものが多数あります。有名な混乱は、記事にあるOpenOffice件です。それ以外にも、Java関係のHudsonなどがあります。このオラクル社によるオープンソースに対する対応については、対応が見え始めているもの、様子見が混在していて、まだ十分な分析がなされているわけではありません。現在のオラクル社の製品戦略から見る限り、Java以外はそれほどオープンソースに依存するものは多くないように見受けられ、今後、コミュニティとの関係改善が図られるような雰囲気が見えません。おそらくそれほど大きな影響がないオープンソースについては、売却や移管を実施し、大きくかかわりあいたいものについては、さまざまな対応がなされると思います。

では、オラクル社のような企業が、影響力を駆使するためには、どのような方策がとれるのでしょうか? 簡単な対応策では、著作権問題を主張することです。オープンソースの誤解の一つに、「知的財産権が放棄されているので、タダ」ということがあります。しかし、多くの場合、知的財産権の一つである「著作権」は放棄されていません。また、オープンソースの名称に対する商標も、保持されていることがほとんどです。上記のHudsonについては、商標問題から、名称の変更に至ることになるようです。

他にオープンソースに対する対抗策を考えるという意味では、やはり、古典になっているマイクロソフト社の社内文書『ハロウィーン文書』http://cruel.org/freeware/halloween1j.html を参考にしてみるのもいいかと思います。(オープンソースだけでなく、IT業界でビジネスにかかわる人は、今でも一読すると参考になるところがあります。ちなみに、この文書の翻訳がきっかけで、山形浩生氏をきちんと認識できました。)

この中で重要項目で上がっているリストに、

- OSS に対抗する方法を理解するためには、ある企業を標的とするのではなく、プロセスをねらわなくてはならないのである。

というものがあります。開発コミュニティに入り込んでから、そのプロセスを混乱させるということが、非常に有効であるという指摘です。純粋なオープンソースの開発プロセスという出自を持つわけではありませんが、実際に一番の混乱を起こしているのが、Javaの標準策定プロセスなどです。プロセスで混乱をきたした場合、企業がリードしていることが少ないコミュニティでは、開発に集中できず、いらぬプロセス問題で時間をとられることで、大きな損失となりかねません。

さて、ZDNetの記事の中で、「Red Hatが大きく普及する。」とあります。ほとんど、Linuxに関するビジネスの分析がなくなった昨今では、例外的な内容かもしれません。レッドハット社は、世界的な経済危機の中でも、順調に成長を達成していたのですが、2000年代前半のように記事なることも少なくなりました。しかし、企業の中で大きな浸透を果たしています。つまり、ユーザーとしての需要は高まってきています。ところが、面白いことに、この数年は、ハードウェアベンダーだけでなく、大手のシステムインテグレーターでも、Linuxビジネスにかかわる人員配置が削減される傾向もあり、顧客ニーズと合致していかなくなっているという面白い傾向にあります。

また、レッドハット互換の無償Linuxの採用も増加傾向にあり、多くのクラウドサービスプレイヤーの主なOSも、Linuxです。しかし、これらも、大手のベンダーのマネジメント層には、理解されていないようです。大手ベンダーでは、「クラウドにはLinuxは使われていない」と本当に考えているところもあります。

この不思議な状況が、この数年継続しているのですが、2011年は、変化が生まれてくるかどうかは、どこかで、話せればいいなぁ。。