感想: 「勝ち続ける意志力」(梅原大吾著) は現在の論語
最近ちょっと忙しかったので、少し前に読んだ本でも、ブログに感想書けていなかった。2時間程度で読める本で面白かったものを、今日、明日。
今日の一冊は、「勝ち続ける意志力」(梅原大吾著) 。アマゾンの2012年上半期新書ベストセラーランキング7位 に入っているベストセラーの一冊。
- 作者: 梅原大吾
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/04/02
- メディア: 新書
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梅原大吾氏を知っている人は、かなりのテレビゲームに詳しいはず。梅原さんは、日本初のプロゲーマー。そして、ギネスブックに「世界一長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」として認定されているというまさに伝説のゲーマーです。
ぼくは、テレビゲームは、好きなので、昔から、近づかないようにしています。暇があるとやり続けてしまう癖があるので。だから、この本を読むまでは、梅原さんのことは知りません。読むきっかけになったのが、知り合いの編集者の方が担当されたためです。
本書は、ゲームの本だと思うなかれです。彼が、どのような少年時代を送って、どのようにゲームに取り組んでいくようになったか。そして、高校時代に一度世界一に輝きながら、ゲームの道をあきらめて、違う道を模索したこと。そして、介護ヘルパーの道に進みかけるも、あるきっかけで、またゲームの道に戻ってきたかと言うことを、彼の口から、「名言」をもって語られるという一冊。
結論に至って語られる言葉は、熟考した末ものでしょう。まさに、現在の論語 ですね。師曰くです。40にして惑わずという有名な言葉がありますが、そんな人生訓が、オンパレードです。
いくつか拾ってみると、
- 何かを身につけたいと思うのであれば、丁寧に、慎重に、基本を学ぶべきだ
- 新しいものを否定しないこと。そして、新しいものから素直に学ぶ姿勢を忘れないこと
- 10の強さを手にする方法は簡単に教えられる。だが、11、12、13の強さを手にする方法は言葉では教えられない。それでも口に出して言うとすれば、「すべての可能性を試した果てにあるもの」ということになるだろう。それはテクニックや方法論ではなく、ほとんど姿勢や居住まいの問題になる
本書の中で、目から鱗だったのは、テレビゲームというのは、ある日突然にルールや枠組みが変わるという環境で勝負されているということ。つまり、同じ種類のゲームでも、グラフィック性能があがったり、対戦のルールが変わったり、新制度が導入されたりする。もちろん経験は生かされるけど、基本的には新しいルールでやりなおし。もう一度ゼロからスタート。だからこそ、常に新しいことに取り組み続ける意思が大切になる。
自分を考え直したい、キャリアの回り道について考えてみたい、そんな社会人の方々におすすめの一冊。意外な本でした。ゲーム知らなくても、大丈夫。本書に出てくるいくつかのゲームの試合は、ネットに公開されているので見るの可能です。
梅原さんは、情熱大陸で取り上げるべきクラスかもです。ノマドよりも前に。。(もう、でていたらすいません)