Akai's Insight & Memo

かなり小さなマーケティング会社の社長のブログ。MKTインターナショナル株式会社 代表取締役社長 赤井 誠。http://www.mkt-i.jp id:mktredwell

まさか!?―グーグル検索でひっかからない。。

本書『まさか!?―自信がある人ほど陥る意思決定8つの罠』  amazon:4478012288 は、クリーリエ・ジャポンで作者が記事を書いていた内容が面白かったので、購入した一冊です。また、以前のブログで紹介した『選択の科学』においても言及されている本が、本書になります。「どうやって決めるのか?」ということに興味をもちはじめた人には、翻訳も読みやすく、おすすめの一冊。

著者は、マイケル・J・モーブッサン氏は、Legg Mason Capital Management  という投資会社の主任投資ストラテジスト(Chief Investment Starategist) です。

彼の個人サイトによれば、著書 More Than You Know /『投資の科学ーあなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い』(日経BP社) は、ある企業による「時代を問わず、いままでベストなビジネス書100冊の1冊」に、また、Business Week誌(2006)のその年のベストビジネス書の一冊に選ばれています。その彼の最新著作が、本書『まさか!?―自信がある人ほど陥る意思決定8つの罠 』です。原題は、Think Twice: Harnessing the Power of Counterintuition です。

Think Twice は、「2度考える」ではなくて、「よく考える。熟考する」という意味です(翻訳書に、ときどき2度考えるという訳があるときがあるので注意)。つまり、もともとの原題が意味するところは、「よく考えよう: 周囲の考えや常識の力を役立てる」ということになるのでしょうか?   日本語タイトルの方が、直感的にはわかりやすくなっています(この書籍名の欠点は、まさか!? では、グーグル検索がうまく引っかかりにくいこと)。書籍紹介を引用しましょう。

私たちが意思決定するとき、常に周囲から影響を受けています。ですが、多くの場合、それに気づかずにいます。物事をよく考える意思決定者は、これらの無数の影響力を認識し、それらをうまくコントロールして決断します。モーブッサンの投資業界での経験や、心理学と科学の研究を通して、よくある意思決定の過ちを論じ、どうしてそのようなミスが連続するのかを例を挙げて説明し、どのようにしたら、このような問題を繰り返さないですむかを考えていきます。

人は、自分自身を「結構イケてる意思決定者」に思ってしまうけど、現実には、間違っていることが多いということを紹介しています。特に、他人に影響されずに決めているよ!と思っていても、かなり周囲に影響されていることも説明。そして、じゃー、専門家に聞けばいいのかというと、専門家自身も間違えていることあるよねということも紹介します。結論として、物事をしっかりと考え、いい意志決定するには、いろんな状況を注意深く考え、他の人の視点にたったり、運も影響することを理解し、タイムリーにいいフィードバックをもらうことなります。そして、難しい意思決定をする場面では、チェックリストを作成して、見落としがないように行うことを推奨しています。最後に、予測のつかいことがあることもの指摘も忘れていません。

 『選択の科学』でも、本書でも指摘されているのは、欧米人は、意外に他人の影響を受けて、意思決定を行っているということです。周りの空気を読みつつ、いろんな物事を決めていくという、「よく日本人の特性」として、指摘されていることと同じことが、紹介されているのは、興味深いものです。本書のベースになっているのは、心理学や行動経済学にあたる分野であり、これらの書籍をよく読んでいる人にとっては、「で、それで!」と思ってしまうかもれません。しかし、これから、意思決定を学ぼうと思っている人には、ぜひ紹介したい一冊です。