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Akai's Insight & Memo

かなり小さなマーケティング会社の社長のブログ。MKTインターナショナル株式会社 代表取締役社長 赤井 誠。http://www.mkt-i.jp id:mktredwell

感想:今もっともノっている作家米澤 穂信 さんの『王とサーカス』

三が日は、このミス2年連続1位になった米澤 穂信 さんの『王とサーカス』を読みました。

米澤 穂信さんですが、おそらくこの5年を見ると、もっとも充実している作家だろうと思います。個人的には90年代の宮部みゆき(模倣犯や蒲生邸事件のころ)、京極夏彦(京極堂シリーズのころ)、2000年代前半の伊坂幸太郎(ゴールデンスランパーまで)のような感じです。


王とサーカス

ネタバレなしでのあらすじは、というと。

新聞社を辞めたばかりの主人公 太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールを訪問。すると、ディペンドラ王太子が父・ビレンドラ国王ら多数の王族を殺害して、本人も死亡。弟が国王に即位した「ネパール王族殺害事件」に遭遇し、彼女はジャーナリストとして早速取材を開始したところ、彼女の前にはひとつの死体が。。。

はじめ現在の設定で読み始めたところ、「あれ?」と思うところがあり、「ネパール王族殺害事件」で2001年を舞台にしていることがわかり、時代背景がわかりました(内容的に、2001年だからというものではないです)。主人公の大刀洗は、1991年を舞台にした『さよなら妖精 (創元推理文庫)』で登場していることから、一応、続編ということなっていますが、読んでなくても大丈夫です(実際に、ぼくは読んでいません)

「ネパール王族殺害事件」がナゾに包まれたもので、その余波で最終的に王制がなくなってしまうという大事件でしたが、その謎解きをするというストーリーではありません。彼女の前にひとつの死体が現れるのですが、そのナゾをときながら、彼女の生き方に迫っていくストーリーです。そのため、誰が誰を殺したかみたいな部分は、すぐに分かるように記載されています。それではなく、本当のどんでん返しはどこにあるかは、最後まで読むとわかります。前半からの仕込みもきれいに回収しています。

個人的には、米澤 穂信さんの作品でお勧めは、『儚い羊たちの祝宴』です。当時の帯には「あらゆる予想は、最後の最後で覆される。ラスト1行の衝撃にこだわり抜いた、暗黒連作ミステリ」とありましたが、最後の最後で「えーーー!」なって終わる短編小説集です。こちらはすでに文庫になっているので、きっかけにいかがでしょうか?


儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)