Akai's Insight & Memo

かなり小さなマーケティング会社の社長のブログ。MKTインターナショナル株式会社 代表取締役社長 赤井 誠。http://www.mkt-i.jp id:mktredwell

感想: 『劇画 プロレス地獄変』 原田 久仁信

2か月ぶりにブログを逃避行動していているのでアップデートです。で、書くのはそれかよという内容ですが。。。

80年代のプロレスがまだゴールデンタイムでテレビ中継されていた時代、週刊少年サンデーで人気だったのが、『プロレススーパースター列伝』でした。作画は、原田久仁信氏、そして、原作が、梶原一騎氏。たぶん、梶原さん原作では、少年誌での最後のヒット作になるのではと思う(梶原氏の原作は、基本的に梶原氏の頭でできた事実で作られます、素晴らしい)。

『プロレススーパースター列伝』は、ファンタジー全開マンガ。梶原一騎ワールドです。ある人気プロレスラー(タイガーマスクやスタン・ハンセン、ブッチャーなど)の人生を紹介するわけですが、プロレス用に作ったギミック全開で、かつ、本当にインタビューしたかどうかはわからない アントニオ猪木のコメントが入るという幻想にあふれたマンガでした。

その原田久仁信氏が、「別冊宝島」プロレスシリーズで連載していたマンガを一挙に収録したものだそうです。80年代の『プロレススーパースター列伝』は、プロレス黄金時代を描いていたので、ファンタジー全開が、ポジティブで楽しかった。

ぼくは、よくあるパターンで90年代半ば以降は、総合格闘技に興味が行ってしまって、プロレスはいえば、米WWE時代(ストーンコールド:スティーブ・オーティン~ロックがスター)の全盛時代を見ていました。そして、このころはテレビ中継がなくなったりなどなど、日本のプロレスは暗黒時代へと進んでいきます。

この『劇画 プロレス地獄変』に収録されたものは、90年代以降のそのプロレス暗黒時代を扱ったものが中心です。ジャイアント馬場やアントニオ猪木を扱ったものは、過去のものもあるので、暗黒時代だけというわけではないですが、他のストーリーは、裏切り、破産、詐欺、崩壊、死去などくらいネタばかり。『プロレススーパースター列伝』とは、違って、かなりの部分は実話を元にしているようです。

加えて、『プロレススーパースター列伝』と違うところは、今の時代になっているので、昔はタブーだったプロレスの勝敗ストーリー・台本についても触れていることです。プロレスは、勝負を扱うスポーツではないので、八百長はないわけです(昔と違って、このあたりはタブーでは既にありません。WWEは、ニューヨーク証券取引所に上場している大企業として、きちんと、台本・ストーリーがあることを公開して、事業を行っています。ディスクロージャーしっかりしています)。

しかし、スター選手が負けるかどうかについては、プライドの問題や興行に影響する(商売価値がなくなる)ので、慎重に進めれます。そのあたりも描かれています。

それにしても、何といっても、 「お金」のことなんですよ。詐欺、使い込み、裏切り含めて、どろどろした内容で、ほぼ事実を元にしているだけに、いろいろと考えさせれるマンガです