読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Akai's Insight & Memo

かなり小さなマーケティング会社の社長のブログ。MKTインターナショナル株式会社 代表取締役社長 赤井 誠。http://www.mkt-i.jp id:mktredwell

[サーバー市場] 欧州財務危機影響強く、国内市場は成長

さて、恒例のサーバー市場動向分析。今回は、2012年の最初となる第一四半期(1月~3月)です。

調査会社IDCさんのグローバルレポートは、すでに先月末アナウンスされていたのですが、なぜか、日本では、昨日リリースされました。これらをベースにしながら、サーバー市場動向をみていきます。使う資料は、IDC発表に加えて、Gartner社の資料です(主に使うのは、IDC)。また、今週、オラクルさんの決算発表があったので、それも反映してみましょう。(下にURLつけています)。

  • 市場概要
  • グローバル市場規模は、2.4%減少。しかし、出荷台数は、2.7%増加。これは、過去2番目に多い出荷台数
  • アメリカ大陸 (Americas) 市場は、フラット。
  • ヨーロッパ市場を含むEMEAは、11.9%という二桁の減少
  • 日本を除いたアジア市場(中国、インドなど) の成長が弱い
  • 国内市場は、売上 プラス4.9%。出荷台数は同プラス4.8%の14万7千台

昨今話題のヨーロッパは、出荷台数も、3.8%ダウン。x86サーバーの売上げは、3.4%ダウンで収まっていますが、non-x86サーバー(Unixやメインフレームなど。厳密には、Xeon/AMD以外のサーバーかな)は、28.7%という大幅な市場縮小を記録しています。このサーバー市場分析を書き始めてから1年くらいたちますが、徐々に市場の減速感が強まってきています。先週、ギリシャ再選挙が終わって、市場が落ち着くことが期待されています。しかし、元々ギリシャは、今までの歴史上2年に一度は、デフォルト起こしているので、来年までには、再び悪化する可能性があります。そのようになると、影響は、スペイン、イタリアに及ぶとも報道されています。特に、イタリアは、市場規模が大きいためIT市場でも影響が大きくなるでしょう。

で、こういうときは、成長セクターが期待されます。しかし、アジア市場の勢いもよくない模様。特に、中国市場での勢いが止まっているようです。中国市場は、2012年に日本を抜いて、世界第2位のIT予算の大きな国になると予測されています。そのため、アジア圏最大市場である中国が止まるとなると、影響が多大です。

国内市場は、プラス成長! と喜んではいけません。これは、昨年の東日本大震災の影響を考える必要があります。今回の発表は、1-3月です。昨年の3月11日以降は、少しの間ビジネスがとまってしまったのを覚えている人も多いはず。今年は、昨年と違って、3月の年度末商戦がそれなりに順調に進んだとみるべきでしょう。

  • ベンダーおよびOS
  • ベンダー別シェア: HP、IBMDELLOracle富士通で変わらず
  • 富士通を除く、4社の売上げは、すべてマイナス。
  • OS別では、引き続き、Linuxサーバーが大きく成長。16%売上増加
  • Windowsも、着実に、1.3%成長
  • Unixについては、17.2%減少
  • 国内市場では、富士通が首位で、NEC、IBM、HP、日立。

グローバル市場でのベンダーシェア比率は、ほとんど変化ありません。今回は、富士通が唯一トップ5ベンダーで成長したために、若干シェアがアップしています。この数年、この5社での争いに変化はありません。PCでは、台湾(エイサー等)や中国(レノボ等)ががんばっていますが、サーバー市場では、米国勢圧勝しています。富士通が本当にがんばっていると思います。

OS別では、このようにグローバル市場が不調でも、Linuxが好調です。用途は、主に、HPCとクラウド環境向けです。特に、この数年のクラウドブームにおける基盤OSとして、Linuxが中核を占めていることが、市場の中で成長を確保している理由です。大幅な市場縮小を記録したEMEAですら、Linuxは、6.7%成長しています。国内市場でも、富士通が情報サービス市場で、NECが通信サービスと情報サービス市場で大型の案件を受注しています。これは、おそらくLinuxサーバーだと推測します。OS名が出ていませんが、この分野のデファクトOSは、Linuxのためです(ネット系企業は、情報サービス市場で、携帯・電話系の企業が、通信サービスです。よく一緒に語られますが、統計上は別の場合がほとんど。)

Windowsも、このような状況下では、がんばっていて、少し成長しています。もともと市場におけるシェアが、Linuxの4倍程度あるので、1.3%成長といっても、トータルの金額や出荷台数を検討すれば、大きな数字になります。そして、結局のところ、サーバー市場が縮小している主な原因は、Unix 市場が急速に小さくなっているからですね。前回、IDCアナリストが、もう、Unix市場は戻ってこないよという発言をしていましたが、その通りになっています。

国内市場では、富士通が好調のようです。昨年の大震災では、富士通の東北地方の工場に大きな被害がでたために、出荷が十分にできなかったと報道されています。今年は、それらの復旧を果たし、昨年の減少分を取り戻したと言えるかもしれません。この富士通の売上復調が影響して、HPとIBMx86サーバーの売上が減少したということでしょうか。今回調子がよかったのが、OSIV/XSP を搭載したPRIMEQUEST 1000シリーズというものです。ビジネスコンピューターやメインフレームに分類されるサーバーですが、パーティションをわけることで、Windows/Linuxも使用できるそうです( http://jp.fujitsu.com/platform/server/primequest/option/osiv-xsp3-1/

世界的には、急激にサーバービジネスが悪化しているのが、今週、決算を発表したオラクルです(決算発表資料は、こちら ⇒ http://www.oracle.com/us/corporate/press/1666416 )。

オラクル社の最新四半期(3-5月期)の決算発表では、売上高が1%増、純利益は8%増 。しかし、ハードウェアは、14%減という大幅減少。とうとうHWの売上が占める割合が10%を切って9%になりました。さらに、ハードウェアサポート売上も11%減。

最近よく広告がでるExadataなどのアプイアンス系の関係の売上は、“Our engineered systems business is now operating at well over a billion dollar revenue run rate,” said Oracle President, Mark Hurd. となっています。期間は書いていないのですが、たぶん、四半期ごとに10億ドルの売上だと思います。今の円レートだと、800億円くらい。ハードウェアとソフトウェアのパッケージ製品のため、大雑把に見ると、ハードウェア関連売上は、100億円くらいの売上でしょうか。年間で400億円程度。それほど巨額というわけではありません。

今後は、オラクル社が、ハードウェアビジネスをどのように見直しをかけるのかが、焦点だと思います。創業者がまだ健在の企業のため、彼の意思が強く働くはずです。ハードウェアビジネス撤退(例えば、富士通に売却など) ということになると、サンマイクロシステムズ買収は、なんだったのかということになりかねず、プライド問題なるでしょう。今後注目です。


注: 調査会社 IDCさんのプレスリリースを元にして、コメントしています。IDC社のレポートを読んでいるわけではないので、ご注意ください。調査会社(IDC/Gartner) の分析詳細を知りたい場合は、レポートを購入を。。

  • Worldwide Server Market Revenues Decline 2.4% in First Quarter as Market Growth Slows in Face of Market Transitions, According to IDC

http://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS23513412

  • Gartner Says Worldwide Server Shipments Grew 1.5 Percent in the First Quarter of 2012 While Revenue Declined 1.8 Percen

http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=2031115

  • EMEA Server Revenue Declined 11.9% Annually in 1Q12 With Sales of $3.1 Billion in Second Consecutive Quarter of Revenue Declines, Says IDC

http://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUK23528512