感想: 「姫川玲子」シリーズ第3弾『シンメトリー』
本日は、TVドラマ化されて、一気に一般の認知度も上がった誉田 哲也氏の「姫川玲子」シリーズ第3弾『シンメトリー』。本書は、シリーズ初の短編集となっている。
- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2011/02/09
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竹内結子主演『ストロベリーナイト』で姫川シリーズに初めて触れた人も多いはず(結構竹内結子のイメージあっているかも)。誉田 哲也氏は、個人的には、ミステリーファンに熱狂的な人気がある気はしていないけれど、固定読者が多い作家だ。元々、『ストロベリーナイト』は、単行本で出版されてたときよりも、文庫化されたときに人気に火がついた書籍だったと記憶している。当時、文庫になってから、『慟哭』(貫井 徳郎著)がベストセラーになっていたあとで、次の1冊の一つしてブームになったのではないかと思う。(慟哭は、傑作だと思う。この系列のミステリーが結構好きみたい。読んでいる途中で謎解きをしたがる人よりも、謎解きを本に沿って読む人向け。同じ系列だと、『葉桜の季節に君を想うということ』、『儚い羊たちの祝宴』など。姫川シリーズは、この系列と違います)
- 作者: 貫井徳郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1999/03
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IT業界の経験が長いために、『ストロベリーナイト』の設定には、ちょっと乗れないシーンが多く、今後は買わないかなぁと思ったけれど、『ソウルケイジ』が、予想以上に佳作だったために、それなりに読むようになった作家が誉田 哲也氏です。購入するのは、文庫本になってからなので、シリーズはさらに進んでいる。本書自体は、引っ越し続きだったので、途中まで読んでいたのが、どっかにいってしまって、やっと発掘したので、読了した次第。もう一度最初から読み直すくらい行方不明だった。
今回の『シンメトリー』は、短編ということもあり、玲子の「傲慢」がすばらしく連続ででてくる内容です。例えば、挨拶したときに、相手が驚くのを、「警部補で女性ということに驚くより、美人であるということに驚くのだと思うようにしている」とか、「話題になって、メディアに取り上げられ、素早く解決する手柄をあげたい」といったようなすばらしき傲慢さです。また、いつものように、推理ではなく、「そう思った」「そう感じた」といった直感推理もさえています。タイトルだけだと、推理小説という感じがしません。「右では殴らない」編は、あきらかにタイトルと落ちは、ばっちりでカッコいいけど、ミステリーの落ちとは関係ない。ただ、このタイトル自体が、玲子の玲子らしさを表すもの。最高。
短編7編のため、簡単に読みやすい一冊。姫川シリーズに興味がある人には、おすすめです。少し短いので、展開自体が、結構キャラ立ちで展開するため。初めて姫川シリーズを読む人は、『ソウルケイジ』をおすすめします。
- 作者: 誉田哲也
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/10/08
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